さかきさんの小説

さかきさんのセカンドブログ。小説というのは、おこがましいが、そういうことなのだ。

そんなに好きじゃありません

 

いつからかな

 

あなたの好きじゃないところが

気になり始めたのは

 

許せていたことが

急に許せなくなったり

 

あなたといて

イライラしてしまう自分に気付いて

また嫌になってしまう

 

あなたと話すと楽しい

 

それはお酒を飲んだ時だけ

 

酔いがさめたあとに

嫌だったことを思い出してしまう

 

最悪だ

 

あなたを好きなんだと

思い込もうとしてる

 

それに気付いてしまった

 

最悪だ

 

 

もう、あなたのことは

 

 

 

そんなに好きじゃありません

チョコレート

 

 

チョコレート

 

あなたに食べてもらいたいなって、

 

そう思ったの。

 

バレンタイン。

 

露骨かな。

 

そう思ってしまったから

 

15日に渡した。

 

可愛くない女だね。

 

こんなわたしを

 

好きだと言ってくれる。

 

わたしは、あなたが大好きです。

 

可愛くないから面と向かって言えないけど。

 

ハート型のチョコレート見て、

 

察してもらえたかな。

 

 

 

(大好きの気持ちを込めて)

 

 

 

チョコレート

煮たまご

 

行きつけのうどん屋がある。

 

そこのおでんが好きだ。

 

その煮たまごが、好きだった。

 

美味しすぎるので、誰かに共感してもらいたいくらいだった。

 

彼にも食べさせてあげたい、と思った。

 

それでも、いつも一人で来た。

 

一人でおでんをつまむ。

 

濃いめのレモンサワーがとても合う。

 

今日も一人で来た。

 

からしがききすぎて、涙が出た。

 

今日も相変わらず、煮たまごは美味かった。

 

 

 

 

 

(彼を連れてこないでよかったと心から思った)

 

 

 

煮たまご

靴擦れ

 

 

痛、

 

足元に違和感を感じた。

 

右足に、靴ズレが。

 

前を歩く彼を見るが、止まる気配はない。

こちらを気にしてすら、いなかった。

 

このままでは置いてけぼりにされてしまう。

 

靴ズレで、痛む足を動かした。

 

 

 

いつからだろう。

 

彼が私の前を歩くようになったのは。

 

昔は並んで、笑って、歩いていた。

 

そういえば、最近、彼の笑った顔見てない。

 

 

 

急に靴ズレの痛みが強くなった。

 

もう歩けない。

 

彼の背中に、待って、と視線を投げた。

 

彼の背中は、どんどん見えなくなる。

 

待ってよ。

 

声を出しても、もう届かない。

 

彼の背中が、どんどん小さくなってゆく。

 

 

 

悲しくなった。

 

 

 

痛い。

 

 

痛いのは足なのか。心なのか。

 

わからなくなってしまった。

 

 

 

 

 

(いつか、こっちを見てくれると思ってたのに)

 

 

靴擦れ